問題文
PCI Express3.0,PCI Express4.0及びPCI Express5.0を比較した記述のうち,適切なものはどれか。
ア 1レーンの片方向最大転送レートは,PCI Express4.0はPCI Express3.0の2倍,PCI Express5.0はPCI Express4.0の2倍である。
イ PCI Express3.0はそれ以前のPCI Express1.1及びPCI Express2.0と後方互換性があるが,PCI Express4.0はそれ以前のものと後方互換性がない。
ウ いずれも,規格上の最大レーン数は32レーンである。
エ いずれも,シリアル転送において8b/10b変換を採用している。
解説
ア

問題のポイントはこちらです。
PCI Express(PCIe)は、PC内部でグラフィックカードやSSDなどを接続する高速通信規格です。
「3.0」「4.0」「5.0」という数字は規格の世代を表し、世代が新しいほど転送速度が速くなります。
この問題では、世代ごとの転送速度・互換性・レーン数・符号化方式の知識を問われています。



各選択肢について見ていきましょう。
ア(正解)
レーンとは、PCIeでデータをやり取りする通り道(信号線のペア)のことです。
片方向とは、「送信方向のみ」の速度のこと(双方向なら倍になる)。
PCIeは世代が上がると転送速度がほぼ倍になります。
- PCIe 3.0:8GT/s(約1GB/s)
- PCIe 4.0:16GT/s(約2GB/s)
- PCIe 5.0:32GT/s(約4GB/s)
※GT/sは1秒間に何十億回信号を送れるかの単位です。
したがって、4.0は3.0の2倍、5.0は4.0の2倍で正しいといえます。
イ(誤り)
後方互換性とは、新しい規格でも古い機器が使えることです。
PCIeは1.0から最新世代まで、基本的に後方互換性があります。
例:PCIe 4.0のマザーボードにPCIe 3.0のカードを挿しても動作します(速度は遅いほうに合わせられる)。
よって4.0が後方互換性がないというのは間違いです。
ウ(誤り)
PCIeのレーン数は x1, x4, x8, x16 がよく使われますが、規格上は最大16レーンまでです。
32レーンという規格はPCIeにはありません(サーバ向けの特殊仕様で似た構成はあるが、規格上は最大16)。
エ(誤り)
8b/10b変換はデータの誤り検出や同期用に、8ビットのデータを10ビットに変換して送る方式です。
これはPCIe 2.0まで採用されていましたが、PCIe 3.0以降は128b/130b変換に変わっています(効率アップのため)。
よって全世代が8b/10bではありません。
まとめ
PCIeは世代ごとに速度が倍増しています(3.0→4.0→5.0)。
互換性は基本的にずっと維持されています。
規格上の最大レーンは16です。
符号化方式は3.0以降で128b/130bに変更されました。
PCIe世代別速度表
世代 | レーン数 | 片方向速度(GB/s) |
---|---|---|
PCIe 3.0 | x1 | 0.99 |
PCIe 3.0 | x4 | 3.94 |
PCIe 3.0 | x8 | 7.88 |
PCIe 3.0 | x16 | 15.75 |
PCIe 4.0 | x1 | 1.97 |
PCIe 4.0 | x4 | 7.88 |
PCIe 4.0 | x8 | 15.75 |
PCIe 4.0 | x16 | 31.51 |
PCIe 5.0 | x1 | 3.94 |
PCIe 5.0 | x4 | 15.75 |
PCIe 5.0 | x8 | 31.51 |
PCIe 5.0 | x16 | 63.02 |