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問題文
エラー埋込み法において,埋め込まれたエラー数をS,埋め込まれたエラーのうち発見されたエラー数をm,埋め込まれたエラーを含まないテスト開始前の潜在エラー数をT,発見された総エラー数をnとしたとき,S,T,m,nの関係を表す式はどれか。

解説
解答
ア
この問題は エラー埋込み法(Fault Seeding) の代表的な公式を問うものです。
エラー埋込み法とは
エラー埋込み法(Fault Seeding)は、テストの網羅性や潜在エラー数を推定するための手法です。
あえて既知のエラー(S個)をプログラムに埋め込み、テストでそれらがどのくらい検出されるか(m個)を観察することで、未知の潜在エラー(T個)がどのくらい存在するかを推定します。
テストによって発見された総エラー数を n とすると、次の考え方が成り立ちます。
- 「埋め込んだエラーのうち m 個発見された」割合と
- 「本来埋め込まれていたエラー T 個のうち (n − m) 個発見された」割合
は、同じ検出効率を持つと仮定できます。
公式の導出
この仮定に基づくと次の関係式が得られます。

ここでは
- m:埋め込んだエラーのうち検出された数
- S:埋め込んだエラー数
- n:検出された総エラー数
- T:埋め込み前に潜在していたエラー数
となります。
選択肢の確認
エラー埋込み法では、「発見された埋込エラーの割合」=「発見された未知エラーの割合」 という前提に基づいて、未知エラー数を推定します。
そのため正しい関係式は

となり、答えは ア です。