アクセスポイントが複数あると、管理が大変になるものです。そこで登場するのが、今回学ぶ「無線LANコントローラー」です。

うちはWi-Fiルーター1つしかないから、初めて知る概念です。



我が家は2つあるので、まぁややこしいですよ。



企業なんかの大規模なネットワークになると、アクセスポイントの管理が大変になりそうですね。
そのような場合に使われるのが、無線LANコントローラーです。じっくり学んでいきましょう。
無線LANコントローラーとは
無線LANコントローラー(Wireless LAN Controller、WLC)は、複数の無線アクセスポイント(AP)を集中管理するためのデバイスです。
WLCは企業や大規模な施設などで、複数のAPを使って無線ネットワークを構築する場合に非常に有用です。


WLCはネットワーク全体の設定、管理、セキュリティ、トラフィックの最適化などを一元的に行うことができるため、運用の効率を大幅に向上させます。
無線LANコントローラーの主な機能と役割
無線LANコントローラーは、無線ネットワークの管理と最適化を行う上で欠かせない存在です。
ここでは、WLCが提供する主要な機能について詳しく解説します。
①APの設定情報の管理と更新
各APの設定情報を一元的に管理し、必要に応じて更新を行う機能です。
これにより、設定の統一と効率的な運用が可能になります。また、個々のAPを個別に設定する手間が省け、管理者の負担を軽減します。
②APの監視
APの状態をリアルタイムで監視し、問題が発生した際には迅速に対応できるようサポートします。
これにより、ネットワークの安定性が向上します。
また、ネットワーク全体の状態をリアルタイムで監視し、異常が発生した際にはアラートを出すことで、迅速なトラブル対応が可能です。
③APの電波干渉の検知と回避
AP間での電波干渉を検知し、適切なチャンネルに変更することで干渉を回避し、通信品質を保ちます。
さらに、電波干渉を避けて快適な通信を提供する機能を備えています。
④APの負荷分散
ネットワーク全体でトラフィックの負荷を分散し、特定のAPに過剰な負担がかからないようにします。
これにより、安定した通信環境を提供します。
また、使用状況の分析を行うことで、ネットワークの最適化を図り、ネットワークの安定性を向上させます。
⑤セキュリティ機能とローミング機能の強化
WLCは無線ネットワーク全体に統一されたセキュリティポリシーを適用することができます。そのため、企業の情報を保護し、不正アクセスのリスクを減らすことが可能です。
また、WLCは802.1X認証プロトコルを用いることで、オーセンティケーター(認証者)として機能し、クライアントデバイスの接続認証を行います。このプロセスにより無線ネットワークに接続する各デバイスが適切に認証されるため、ネットワーク全体のセキュリティを強化できます。
さらに、ユーザーがネットワーク内を移動する際に途切れることなく接続を維持する「シームレスローミング」を実現するため、場所に関わらずスムーズで安定したネットワーク接続が可能です。
⑥DHCP
WLCはDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能を内蔵しており、各デバイスに対して自動的にIPアドレスを割り当てます。
これにより、ネットワーク管理者は手動でIPアドレスを設定する手間が省け、管理の効率化が可能です。
DHCPによる一元管理はネットワーク全体のIPアドレスの重複を防ぎ、安定した通信環境を維持するのに役立ちます。
利用シーンとメリット
WLCは、さまざまな環境での無線ネットワーク運用を効率化し、管理コストを削減するのに非常に効果的です。
例えば、企業オフィスでは、多くの従業員がWi-Fiを利用する中で効率的にネットワークを運用することが可能です。
また、学校や病院のような広い施設内では、移動が多いユーザーに対してシームレスなローミングを提供し、安定した接続を維持します。
さらに、ショッピングモールやホテルなどの商業施設でも、WLCにより来訪者が頻繁に接続してもネットワークの品質を保つことができます。
このように、WLCの導入により、運用の効率化、スケーラビリティの向上、セキュリティの強化が実現し、さまざまな環境で安定した無線ネットワークが提供されます。
まとめ
無線LANコントローラーは、大規模な無線ネットワークを効率よく、安全に運用するために重要な役割を果たします。
特に、APの数が多い環境では、その管理能力とセキュリティ向上のメリットが大きく、企業のITインフラには欠かせない存在です。



APが多いと管理が大変になるので、一元管理できる無線LANコントローラーは必須だということがわかりました。
無線LANコントローラーの導入により、ネットワークの管理が一元化されるだけでなく、運用の効率化やセキュリティの強化、スムーズなローミングが可能になります。
これにより、企業や施設はより安定したネットワーク環境を提供し、業務の生産性を向上させることができます。



今後ますますネットワークの重要性が増す中で、WLCの役割はさらに重要となっていくでしょうね。