前回までVLANについて学んできましたが、今回からは無線LANについて学んでいきます。

新しい学習内容、わくわくしますね!
今回のテーマは「無線LANとWi-Fi」です。無線LANとWi-Fiは、どちらもインターネットにワイヤレスで接続するための技術ですが、意味合いや使い方に少し違いがあります。



今まで同じ意味で使っていました……。
それでは、無線LANとWi-Fiの定義や違いについて、簡単に学習していきましょう。
無線LANとは
無線LAN(Wireless LAN)は、ワイヤレスでネットワークを構築する技術全般を指します。
要は、物理的なケーブルを使わずにデータを送受信するネットワークのことです。
具体的にはオフィスや家庭で見かけるようなネットワークで、無線ルーターを使ってパソコンやスマートフォンなどをインターネットに接続します。



無線LANという言葉は技術の全体像を指す、広い概念になります。
無線LANの歴史は1960年代のALOHAネットに遡り、初期のワイヤレス通信技術の一つとして位置づけられています。
このALOHAネットは、ハワイ大学で開発され、最初は無線でコンピュータ同士の通信を可能にするために利用されました。
この技術が後にイーサネットや無線LANの基盤となり、現代のワイヤレス通信技術の発展に大きく寄与しました。



実は無線LANの方がイーサネットよりも先に作られたのですよ。



ええっ、有線LANの技術を使って無線LANを作ったんだと思ってました。逆だったんですね!
無線LANの規格は主にIEEE802.11分科会です。代表的な規格は、下記の表のようになっています。
規格名 | 最大速度 | 周波数帯 | 世代 |
IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz | |
IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz | |
IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz | |
IEEE 802.11n | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz | Wi-Fi 4 |
IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz | Wi-Fi 5 |
IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz | Wi-Fi 6 |
2.4GHz/5GHz/6GHz | Wi-Fi 6E | ||
IEEE 802.11be | 46Gbps | 2.4GHz/5GHz/6GHz | Wi-Fi 7 |



あ、Wi-Fiが出てきましたね!
Wi-Fiとは
Wi-Fiは、無線LANを実現するための具体的な技術の一つであり、無線LAN技術を使用したブランド名でもあります。



Wi-Fiは特定の規格に基づいていて、無線LANが使いやすく標準化されたものと考えると分かりやすいです。
Wi-Fiという名称はWi-Fi Allianceという団体によって管理されており、ユーザーにとってわかりやすいブランド名として広く普及しています。
無線LAN規格にはいくつかのバージョンがあり、たとえばWi-Fi 4(802.11n)、Wi-Fi 5(802.11ac)、Wi-Fi 6(802.11ax)などがあります。
また、最新のWi-Fi 6Eは、6GHz帯の周波数を利用することで、さらなる速度向上と低遅延を実現しています。
普段私たちが「Wi-Fiに接続する」と言うときは、無線LANを使った接続方法の一種であるWi-Fi規格のネットワークに接続していることを意味しています。
まとめ
無線LANは広い概念であり、その中にWi-Fiという特に一般的に使われている技術が含まれています。無線LANは複数の技術の総称であり、Wi-Fiはその中でも標準化され、広く普及している技術です。
日常的には、無線LANというより「Wi-Fi」という表現が多く使われていますが、Wi-Fiは無線LAN技術の一部にすぎないことを覚えておくと、技術の理解が深まるでしょう。
また、Wi-Fiは特定の規格に基づいたブランド名であり、その背後にはさまざまな技術や規格が存在している点にも注目するとさらに理解が深まります。