無線LAN(Wi-Fi)の世界には、さまざまな技術的な要素が存在し、その中でもBSS(Basic Service Set)とESS(Extended Service Set)は、ネットワークの構成や通信の仕組みを理解する上で非常に重要な概念です。

つまり難しいってことですね……。



まぁそう言わずに。今回は簡単に概念だけを学んでいきますよ。



それなら覚えられそうです!
BSSとESSの概念は、無線LANの設計や運用に深く関わり、安定した通信や効率的なネットワーク管理を実現するために必要不可欠です。
今回の記事では、BSSとESSについて詳しく解説していきます。
BSS(Basic Service Set)
BSSは無線LANにおける基本的なネットワークの単位です。
BSSはアクセスポイント(AP)と、それに接続された無線端末(クライアント)によって構成されます。
BSSには次の2種類があります。
この場合、アクセスポイントが中心となり、クライアントはこのアクセスポイントを介して通信を行います。アクセスポイントがネットワークの中核となるため、ネットワークの制御や他のネットワークへの接続が容易になります。
アクセスポイントが存在せず、クライアント同士が直接通信する形態です。この構成は「アドホックネットワーク」とも呼ばれ、小規模なネットワークや一時的な通信に適しています。
BSSの特徴は、各BSSごとに識別子としてBSSIDが存在することです。
BSSIDは48ビットで、通常はアクセスポイントのMACアドレスを使用し、ネットワーク上で一意にBSSを特定するために用いられます。
ESS(Extended Service Set)
ESSは複数のBSSを束ねたネットワーク全体を表す概念です。
ESSは主に、同一のSSID(Service Set Identifier)を持つBSSが複数存在する場合に使われます。
ESSIDは最大32文字まで設定可能であり、ネットワークの識別において重要な役割を果たします。
たとえば、企業のオフィスなどで複数のアクセスポイントが設置されている場合、各アクセスポイントがそれぞれ異なるBSSを形成しますが、全て同じSSIDを持つことで、ユーザーがオフィス内を移動してもシームレスに接続を維持することができます。
このように、同じSSIDを持つ複数のBSSの集合がESSとなります。これにより、ユーザーは場所を気にせずに同じネットワークへ接続し続けることが可能となり、利便性が高まります。



アクセスポイントが複数ある広い場所でも、同じネットワークに接続し続けられるのはCSSのお陰なんですね。
さらに、ESSにより、広い範囲で同じネットワークを提供し、ユーザーは意識することなくアクセスポイント間を移動(ローミング)することが可能になります。
このローミング機能によって、通信の途切れを防ぎ、快適なネットワーク環境が提供されます。これにより、ユーザーエクスペリエンスの向上が図られ、業務の生産性も向上します。
まとめ
BSSは、無線LANネットワークの最も基本的な構成要素で、アクセスポイントとそれに接続するクライアントで成り立っています。
アクセスポイントは、ネットワーク内での通信の中核を担い、クライアントがアクセスできるようにします。
一方で、ESSは同じSSIDを持つ複数のBSSをまとめたものを指し、ユーザーがネットワーク内を移動してもシームレスに接続を維持できる仕組みです。
これにより、BSSとESSは、安定した通信を可能にし、広範囲でのネットワークの管理と利用を効率的に行うために不可欠な役割を果たしています。



これらの概念は、無線LANの設計やネットワークの最適化において重要な役割を果たしているのです。